Mooshaus(苔の家) 吉野古民家再生実証実験住宅・その1
Mooshaus(苔の家) 吉野古民家再生実証実験住宅・その1
2015年に大阪でスタートした「器プロジェクト」は2020年からドイツのベルリンに於いて日独職人チームによる器2.0及び3.0を創作。Expo2025OSAKAではドイツパビリオンと共催の器ワークショップを披露します。
・これまでの器(和室の組立式プロトタイプ)を使った活動から、今年は器の実物(モデル住宅)を開発中です。日本林業の聖地、吉野(奈良県)で古民家を改修し、単に完成物を見せるのではなく、改修工事のプロセスを体験していただきます。改修し、住み、暮らすというプログラムに、若手の職人や研修者、伝統技術愛好家などが世界から訪れる参加型実験プロジェクトです。
・また、AIR(アルチザン・イン・レジデンス)の拠点として、日本の建築やものづくりを学びたい人々が集い、実物の現場で学び、創作し、地域の人々とも交流していただきます。
・私たちは、以上の活動を通じて、建築とものづくりに関わる職人の仕事をつくり、特殊な文化財ではなく、一般の民家に求められる一級の技術の継承と発展を目指します。
①着手前の外観
これが「器プロジェクトin吉野」の第1号Mooshaus。この廃屋がどのように生まれ変わるのか?
②Mooshasuからの眺望
目の前に流れる吉野川と右手には鉄道橋に沈む夕陽が絶景です。
③苔の家
初めて現地を訪れた時、室内に苔が自生していました。長年の雨漏りによる驚きの情景にこの家を「Mooshaus」と名付けました。
④解体中の内部
改修工事は解体・調査と共に進んでいます。雨漏りによる蟻害や腐食に加え躯体の破損を確認。補強工事や不陸調整に加え想定外の基礎工事も行っています。
⑤明治時代の木材を再利用した昭和の建築
現在の建物は昭和34年竣工(築66年)だが、木材は明治時代の元銀行の材を移築再利用。手仕事による材の加工や「柱の根継ぎ」など、建築的歴史が随所にみられる。
⑥仕口
古材の根継ぎの修理に加え、新たな金輪継ぎはドイツから来訪した器メンバーEmiが担当。社寺建築で修業した大工の桝谷さんの直伝により見事に完成。