和の建築とものづくり研究会 第5回研究会報告
和の建築とものづくり研究会 第5回研究会報告
【プロフィール】
追手門学院大学大学院 教授・研究会メンバー
加茂みどり(かも みどり)
NEXT21 改修実験「網み替えの家」 見学
第5回研究会では、まず和の居住文化の継承・発展をテーマに設計された、大阪ガス実験集合住宅NEXT21の「編み替えの家」(インフィル設計:川島範久建築設計事務所、クラディング設計:集工舎建築都市デザイン研究所)を見学し、その後研究会での議論に移りました。
この住戸の住宅計画は、髙田光雄先生が主査を務められ、私も参加する委員会で検討が進められました。髙田光雄先生より、自然と住まいとの関係を問う環境的持続可能性、社会と住まいとの関係を問う社会的持続可能性、人と住まいの関係を問う文化的持続可能性の視点からの検討内容と、今後和の住様式を再構築していくことの必要性についてのお話があり、その後、加茂から設計条件とした和の住様式の内容と、採用された自然と親和し環境に寄与する住まいの技術についてお話しいたしました。「編み替えの家」ではそれらの設計条件を見事に実現していただきました。
次に岡絵理子先生より、和室の減少が危機的なほどに進行している状況と、和室をまもり存続させるため、和室を無形文化遺産として国際認知をめざす「現代・和室の会」の多岐にわたる活動内容についてのお話がありました。また、日本文化の醸成の場である和室が暮らしの中でどのように使われてきたのかというお話は、私の中では幼いころの住まいの原体験に通じる懐かしいものでもありました。
日本人が歴史を通じて育んできた和の居住文化、そして日本人の暮らしの舞台であった和室が、これからも日本人の心を豊かにする存在であり続けることを願うばかりです。
季節を感じる空中の縁側を見る(504住戸の和室)
(了)